Polaris(ポラリス) こころのクリニック 仙台長町駅前

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精神科疾患について自律神経失調症

自律神経失調症

自律神経失調症は広く使われ、実際に診断されることも多いのですが、実は曖昧に使用されることが多い診断名でもあります。なぜかというと「自律神経の乱れ」を想定している診断名ではありますが「自律神経の乱れを測る検査」は存在しないためです。自律神経失調症をつぶさにみると「ストレス反応」「精神症状」「生活状況」等が混同されやすく判別しにくいのではないか、と思われます。
まず自律神経とは自律神経系という内臓をコントロールする神経系統です。「交感神経」と「副交感神経」に分かれており、「交感神経」は覚醒・緊張を担い、「副交感神経」はリラックス・弛緩を担っています。生活にたとえますと、仕事や学校に行くときは相対的に覚醒・緊張の状態となるので「交感神経」優位になりやすく、家に帰ってゆっくり休むときには「副交感神経」優位になりやすいと言えます。これら2つが精神状態や生活状況に適切にかみ合っていることで我々は心身ともに「ON・OFF」を切り替えられるのです。
自律神経失調症は、これらの切り替えがかみ合っていない状態と考えられています。よくある症状として、頭痛、胃痛、肩こり、下痢、動悸、過呼吸、手のしびれなどが挙げられます。また、夜も眠れず睡眠が浅くなって休息を取りにくくなります。これら症状がある場合は身体的に異常がないかチェックしますが、検査で異常がない場合「自律神経失調症」と診断される場合も多いようです。
しかし、先ほど「ストレス反応」「精神症状」「生活状況」等が混同されやすいと述べました。どういうことかと言いますと、まず「ストレス反応」について考えてみます。強いストレス状況が続いた時に眠れない場合は誰にでも生じることです。もしこうしたストレス状況にあることを度外視すると自律神経失調症に思われる場合があるのです。この場合はストレス要因を特定することで改善する場合も多いと考えます。
次に「精神症状」について考えてみます。自律神経失調症の症状は、うつ病の前触れとしての症状に非常に近いので、状態像としては精神症状としての「軽度うつ」に近い場合もあり得ます。別の場合を考えてみます。たとえば過呼吸が偶発的に生じたとき我々は学習しますので、似た状況で「また過呼吸になるのではないか」と予想します。すると緊張感が高まり、動悸や過呼吸を招く場合もあります。これはもはや「予期不安」に近いので「不安を基盤とした精神症状」とも考えられます。この場合は不安への手当てがあるかないかで、経過は違ってくるかもしれません。
そして「生活状況」について考えてみます。たとえば学校や仕事の都合上、昼夜逆転しないと成立しない生活だと自律神経はON・OFFを切り替えにくくなるようです。また、経済的に困っていると多忙なのに休めず、疲労による負荷が強くかかります。常に覚醒・緊張状態なので自律神経失調症のような症状が生じる場合もあるでしょう。この場合は生活状況に沿ったケースワークや制度活用を通して、肩の荷が下りて症状が和らぐ場合があるかもしれません。
このように、一言で「自律神経失調症」と言っても内情はさまざまなように思われます。そのため当院では「強いストレスがかかっていないか」「どういう精神的特徴があるのか」「どんな生活状況か」等に注目します。内情に沿った治療方針を立て、必要な専門職が介入することが回復の糸口になるのではないか、と考えています。

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