精神科疾患についてうつ病・うつ状態
うつ病・うつ状態
気分が落ち込んだり、憂うつな気持ちで過ごしたりすることは誰しも経験があるのではないでしょうか。そして気分が落ち込む問題や時期が過ぎると自然と回復します。このこと自体は病気ではなく、気分状態と言えます。しかし、これがしばらく持続すると、気分障害の一種であるうつ病・うつ状態と言えるかもしれません。
具体的には、睡眠・食欲・意欲の低下が2週間ほど続けば、自力で回復できる範囲を超えているサインとみなすことができます。うつ病・うつ状態を一言でいいますと「心身のオーバーワーク」と言い表せます。うつの時に「がんばれ」が禁句なのは、オーバーワーク状態が想定されるためです。こうした疾患が想定される方は責任感が強く、物事を粘り強く考えられる方が多い印象があります。責任感を持って問題解決にあたるので常に頭と身体を働かせており、徐々に心身ともに消耗しきってしまう場合があるように思われます。そのため、うつ病・うつ状態になるとうまく考えがまとまらず、なめらかに動けなくなります。気分の落ち込みに加えて自責感が強くなることも多く、死にたい気持ちが強くなる場合もあるので注意が必要です。
治療方針は「薬物療法」「休養」「再発防止」が基本です。「薬物療法」は頭と身体を休める上で非常に重要な役割を担っています。投薬しながら生活の中で「休養」を得ていき、心身の回復をはかっていきます。そして、おおむね心身が回復した時に再発しないあり方、「再発防止」策を模索していくことになるのです。
最初の「投薬」「休養」の時期は、何か気がかりがあっても、休むことに専念していただく方が回復には効果的です。傷病手当や失業手当等、何らかの手続きはケースワーカーが相談にのります。心理検査やカウンセリングは心身が回復してきた「再発防止」の時期に行う場合が多いです。この時期に考え方や捉え方を見直し、うつに陥りにくい状態をつくることが有効と考えます。北極星を目指すが如く、回復した上で再発防止へ向けて進んでいくのが基本方針となります。